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 世界のギョーザ特集パート6 その2

今や日本の国民食ともなったギョーザ。
あまりにも身近すぎて、名前やレシピに僕たちは何の疑問も持っていませんでした。
ところがトルコを旅して出会った『マントゥ』は、同じギョーザの一種と言っても、
日本のものとはまったく違った料理だったのです。
さらに驚いたのが、トルコから遠く離れた韓国でギョーザが『マンドゥ』と呼ばれていたこと。
これはどういうことなのでしょう?
こんな疑問から始まった僕たちのギョーザを巡る旅も、
東は中国のジャオズから西はドイツのマウルタッシェまで、14カ国17種になりました。
今回は柴又で初めてのギョーザ特集。その2はカザフスタン、ドイツ、トルコの3種をご紹介しましょう!

期間 2023年9月27日(水)〜12月30日

Chuchvara

カザフスタン アルマトイ風 チュチュバラ

 <<前菜>>  900円

中央アジアに行くまで『×××スタン』(ペルシャ語で×××の国の意)と言う国を十羽一絡げにしていた僕たちは、 それぞれの国の文化にも似て異なる側面があることに気が付きました。
例えば食肉。イスラム教徒の多いウズベキスタンで肉と言えば羊と鶏。 ところが旧ソビエト解体後もロシア人が人口の2割以上を占めるカザフスタンでは、かなりの量の豚肉も流通していたのです。 それが中央アジアの伝統料理と結び付いたバリエーションは非常に興味深いものでした。 チュチュバラはウズベキスタン、キルギス、タジキスタンなど広い範囲で食べられている、小ぶりなギョーザ。 ディルとコリアンダーの香るすっきりしたサワークリーム入りスープに入っています。 今回はカザフスタンバージョンで牛挽き肉を使ってみました。

Maultaschen

ドイツ フランクフルト風 マウルタッシェ
<<前菜>>  1200円
時代を問わず、何人であろうと美味しいものが大好き。食に国境はありません。 イタリアにほど近いドイツ南西部のシュヴァーベン地方では、パスタやピザの食文化を取り入れ、 イタリア版ギョーザともいえるラビオリからマウルタッシェが生まれました。
一説によると考え出された動機はやや不純なようで、 宗教的に肉食が禁止されていた聖金曜日でも肉を小麦の生地で包んでしまえば神様も気付くまい・・・ そう企んだ司祭の作とも言われています。 今回再現したのは卵入りの生地で合挽き肉、ソーセージ、ホウレンソウなどを包み、茹でてからチーズをのせてこんがり焼いたもの。ザワークラウトと塩漬けブタのソテーを添えて召し上がれ!

Manti

トルコ アヴァノス風 マントゥ
<<主菜>>  1700円
ギョーザ風料理の関連性を調べる上で厄介なのは、中国でこれがかつて「饅頭(マントゥ)」と呼ばれており、 いつしかそれが包子、餃子と呼称を変えて行ったことです。 実は僕らのようにギョーザ系での名前で呼ぶ国は、 中国(ジャオズ)の他、アゼルバイジャン(ギューザ)以外に今のところ見つからないのですよ。
さらに驚きなのは最も多い呼び名が初期の饅頭に近いマンティ、マンドゥ、マンタであること。 ではその本名を受け継ぐ料理のひとつ、トルコのマントゥとはどんなものなのか?  ラムの挽肉を使ったギョーザ本体は、日本でいうところの水餃子を小さくしたもの。しかし付けるのは醤油やラー油ではなく、 ミントを散りばめたガーリックヨーグルトです。 これにパプリカバターのソースを添えて食べるマントゥは、同じような音を引く韓国のマンドゥともまったく違い、 皆さんが持つギョーザの概念を覆すことでしょう。

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