<<旅のメニューが変わります>>
 チェコ・スロバキア料理特集 
チェコ・スロバキア料理の特徴と言えば、『地味で質素、それでいて美味しい』となりましょうか。 その理由は他の中欧諸国同様、限られた種類の食材を無駄なく用いて栄養と美味しさを引き出す、 民衆の台所に出自が求められるからです。 また両国は今でこそ別の国ですが、元来カルパチア山脈周辺に住む同じスラブ語系の言葉を話す民族の大家族でした。 それが欧州各地に広がりながら古くは大モラヴィア帝国、近代ならチェコスロバキア共和国という形の同居や別居を繰り返し、 各地域ごとにハンガリーやオーストリア、ドイツなど近隣諸国と他民族の影響を受けつつ、似て異なる多様性を育んできたのです。 今回はひとつの食文化圏としてチェコとスロバキアを捉え、両国の特徴的な料理を3品ご紹介しましょう。

期間 2017年1月6日(金)〜2月13日(予定)

Pirohy

ピロヒー 
                   <<前菜>> 900円

ととら亭のライフワーク(?)と言えば世界のギョーザ。 スロバキアを訪れた第一の理由もここにありました。 ピロヒーは卵入りの小麦粉の生地でポテトとチーズを包み、茹で上げたギョーザの一種。 醤油やラー油ではなく、バターソースとヨーグルト、ベーコンのクルトンを添えて食べるのがご当地流。 名前とレシピから察するに、中国のギョーザの特徴を比較的残すロシアのペリメニがポーランドに伝播してピエロギとなり、 それが更に伝わってピロヒーになったのではないか、と僕は考えています。 とまぁウンチクはさて置き、まずは日本のギョーザと内容、食べ方がどれだけ違うか比べてみて下さい。

Zemiakova placka plnena miesanym
masom posypana syrom

ポテトパンケーキのチキンラグー包み
                  <<主菜>> 1400円

地味で質素と謙遜しながらも民衆の台所の底力を感じさせるのがこの料理。 小麦粉と生のポテトをすりおろして焼いた香ばしいポテトのパンケーキ、 マジョラムが香るピリ辛のチキンラグー。
個別に食べても独自の旨さを持つ二つの素材の間をシュレッドチーズが取り持つと、 これぞ味のシナジー! とも言うべき1+1+1=3以上の絶品が出来上がります。 料理名をこれだけベタな日本語に訳したのは、スロバキア語も固有名がなかったから。 オリジナルにこだわる御仁は現地語のフルネームで注文して下さい。 本名は『ゼミアコヴァ プラチカ プルネニャ ミエザニム マソム ポシパナ シロム』ですよ。

Svickova na smetane

スヴィチュコバー ナ スメタニュ 
                  <<主菜>> 2000円

ソースは肉や魚を食べるための調味料。主役が食べ終ればお皿に残っていても見捨てられます。 こうした日本の常識を覆すのが中欧の食文化。 たとえばこの料理名は『甘口のソース(スヴィチュコバー)と生クリーム(スメタニュ)』。 具ではなく、ソースが名前になっているのです。 ニンジンやセロリ、玉ねぎなどの野菜を主とする甘みとレモンの酸味が調和したコクのあるソースを食べるために、 添えられた『脇役』がボイルしたビーフの薄切りとふかふか茹でパンのクネドリーキ。 従いまして、完食したお皿はピカピカになっているという、 ある意味、『モッタイナイ』文化の美味しい模範料理でもあるのです。

Pilsner Urquell

ピルスナーウルケル

                          750円

チェコと言えばピルスナータイプのビールの生まれ故郷。 なるほど僕たちが訪れたプラハでも、そこかしこに醸造タンクを持つ店があり、 極上の地ビールが水並の値段で楽しめました。 ここでご紹介するのは日本のビールのモデルにもなったと言われる、その名も『ピルスナーウルケル(元祖ピルスナー)』。 一般的なラガーよりややアルコール度数は低め(4.4%)ですが、コクが強く、ホップの苦みの効いた本家の味を、 チェコ・スロバキア料理と共にお楽しみ下さい。

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