<<旅のメニューが変わります>>

 世界の包み料理特集

西欧ではパイ、中華では餃子や春巻など、生地で具を包む料理は東西にあります。
しかし、その意図や方法は様々。
今回は北米、ヨーロッパ、アフリカから、生地で具を包む料理をピックアップしてご紹介します。

2012年2月4日 〜 4月16日(予定)

 モロッコ カサブランカより 

シーフードパスティラ <<前菜>>             1000円
化粧砂糖をまとっていても中身はシーフード。ピリ辛スパイシーでもほんのり甘い。不思議なモロッコの前菜、パスティラ。
ラス・エル・ハノートと呼ばれるモロッコ版ガラムマサラでソテーしたシーフードと、香ばしく甘いアーモンドペーストを薄いパイ生地で包み、サクッとオーブンで焼き上げました。
オリジナルはピザくらいのサイズがあり、結婚式などのお祝いで食べられる特別料理です。僕たちがこの料理と出会ったのはカサブランカから南へ列車で3時間の都市、マラケシュ。手のかかる料理なのでクスクスやタジンがメインの安食堂ではお目にかかれず、ちょっとリッチなレストランでようやく探し当てました。今回ご紹介する3品の中で、最も生地作りが難しい料理。現地で入手したレシピ本を直訳すると「この生地を作るには手先の器用さと根気が求められるので冷凍のパイシートを使いましょう」とのこと。もちろんととら亭では、ともこ料理長の手作りです。

 フランス パリより 

季節の野菜とアンチョビのクレープ
チーズクリームソース添え
  <<前菜>>        900円
小麦の栽培が難しく、そばが常食とされていたブルターニュ地方。
焼けた石の上に偶然落ちたそば粥が、薄いパン状になることから考え出された料理がガレットです。(ガレ・・・フランス語で小石の意)
次に登場するのは、狩りでかの地を訪れたルイ13世とアンヌ王妃。この庶民の食べ物がいたく気に入り、宮廷で再現を所望するも、粉はそば粉から小麦粉へ、生地は粉と水と塩から牛乳やバター、鶏卵、砂糖を加えたリッチなものに変身。名称も焼いた際にできるこげ模様が「ちりめん」を連想させることからクレープ(絹のようなという意味)となりました。
かくして生まれたこの料理は、甘みを加え、菓子として食べるクレープ・シュクレと、ハム、チーズ、野菜等を包みこんで食べるクレープ・サレに分化。今回ご紹介するのは、パリの軽食堂で食べたトマト風味の野菜とアンチョビのクレープ包み。コクのあるチーズクリームソースを添えてどうぞ。

 メキシコ メキシコシティより 

チキンといんげん豆のエンチラーダ
サルサベルデ添え
  <<主菜>>              1300円
食べ物を無駄にしないよう知恵を働かせるのはどこの国も同じ。
メキシコの主食は練ったトウモロコシの粉を薄く焼き上げたトルティージャですが、食べきれずに硬くなってしまった時は思い思いの具を包み、サルサをかけてラザニアのように食べることがあります。それがこれ、エンチラーダ。
風味を添えると共に柔らかさを戻すサルサの種類は様々あり、今回はサルサメヒカーナと並んでポピュラーな、サルサベルデ(青トマトとハラペーニョを使ったピリ辛ソース)を使ってみました。
中身はスパイシーなチキンと白いんげん豆。チーズをのせて、オーブンでこんがり焼き上げます。僕たちにとってはタコスと共に、メキシコシティでよく食べた思い出の味です。

 

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